打ち解けた気持ちで話の弾む二人、だけどしばらくしてけいちゃんの様子がおかしくなった。
 (なんだか、胸がつかえたような…ちょっと熱っぽくなってきたみたい…)
 けいちゃんは元気印少女で、車に酔ったことはほとんどない。だけど、やがて口の中にいやな味がこみ上げるようになって、おなかもどんよりと重たく感じてきて、これは車酔いだ、と思った。

 「酔っちゃったかな?…ちょっと気持ち悪い…」
 「大丈夫?ベルト緩めたら?」
 「ううん…たぶん大丈夫…」

額ににじむ脂汗をハンカチで押さえるけいちゃん。
あまり大丈夫そうじゃないみたい。

 「車酔いのくすりあるよ。飲んで。」
 「ありがとう…」

けいちゃんはいくちゃんから薬をもらって飲んだ。

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