けいちゃんが降りたその場所は、最悪だった。
山道の道路は片側はコンクリートの壁、片側は絶壁で、どこにも隠れるところがない。しかもいまの騒動で止まったバスだけでなく後続の車全てが道沿いに停車して、コンクリートの壁を背にして立ったけいちゃんをまるで取り囲むようになって、好奇の目がけいちゃん一人に注がれた。
(あ、あっ…やだ…でも、もうがまんできない…)
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